屋外を歩いていると何やらいつもと違う雰囲気がした。
賑やかで楽しそうな気分をかもし出す空気。
それを作り出していたのは恥ずかしそうに笑いながら話をする女性達だった。

女の人がワイワイと話をしているということは何かイベントごとでもあるようだ。
今日は日にちだったかな?と考えてみるがパッと思い出せない。
気になってしまい人が集まっているところに行ってみれば、
ヒントを出されるように甘い香りと微かに見えた茶色。


「あ、そうか」


今日はバレンタインデーだ。




Valentine's Day






でも、どうして女に人ばかり買っているのだろうか?


正規としては男女どちらが相手にあげてもいいと聞いたが、
これも国土の違いからかもしれない。


「チョコか。。。。。チョコねぇ。彼、好きかな」


風習になぞらえて渡してみるのも悪くない。
渡した時一体どんな顔をするだろうか。
食べてくれるのか、もしかしたら嫌いかもしれない。




「いやそれはどうでもいいかも」


これに乗じて今更だけど自分の気持ちを伝えることの方が大事だ。
いつもはぐらかしてあまり言わせてはくれないからこそ、
改めて気持ちを面と向かって伝える口実が出来る日―






大体の材料を買い揃えて早速取り掛かる。
出来上がった物の方が絶対に美味しいに決まっているが、
どうせなら自分で作ったものをあげてみたい。

その方が自分の気持ちが伝わるような気がしたから。







「出来た!!」


と余ったチョコを舐めながらニコニコと微笑む。
この見栄えなら売っているものと引けを取らないだろうと『自分の中』だけで確信して。


綺麗にラッピングをして最後にリボンを結ぶ。


さぁ、これで後は彼に渡しに行くだけ――――





バルフレア    バッシュ    ウォースラ    ガブラス